「カーディナル・クライマックス」

 

2008年頃から占星術世界では

「カーディナル・クライマックス」という言葉がよく使われてきました。

「カーディナル」とは活動宮のことです。

牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座が該当します。

この活動宮に外惑星が集まり、ハードアスペクトを作る現象を

「カーディナル・クライマックス」と呼びます。

 

2008年に山羊座に入った冥王星

2011年に牡羊座に入った天王星

この2つのトランスサタニアン(土星より遠い惑星)が

スクエア(90度)という角度を作りました。

(現在も進行中です)

 

トランスサタニアンは、「目に見えない時代の遷移」を作ります。

その時の実感は難しいのですが、歴史的に振り返ると

時代が変わっていることが解る。そんな惑星です。

 

このスクエアをベースに、土星と木星が活動宮に入ることで、

Tスクエアというよりハードな角度を作ってきました。

土星と木星は、もう少し公転周期の早い外惑星で、

「具体的に目に見える社会の制度やあり方」を表します。

 

土星

2010年〜2012年に天秤座

 

木星

2008年山羊座

2011年牡羊座

2013年〜14年蟹座

2016年〜17年に天秤座

 

このような2008年より断続的に続く、外惑星による

活動宮のTスクエアを「カーディナル・クライマックス」と呼びます。

 

活動宮は「物事のスタートを促すサイン」です。

外惑星は「私たちが抗うことのできない時代の流れを示す惑星」です。

特に天王星と冥王星が活動宮に入る時は「破壊と創造」がテーマとなります。

古いものが壊れ、新しいものを生むのです。

 

天王星が牡羊座に入ったのは84年振りです。

前回の1930年前後は、世界恐慌が起こり、その後の経済政策に

大きく影響し、それが現在の経済政策の基礎となっています。

 

冥王星が山羊座に入ったのは240年振りです。

前回は18世紀の中頃でした。イギリス産業革命、フランス革命、

アメリカ独立戦争など、歴史が大きく変わる転換期でした。

産業革命は科学、フランス革命は政治、それぞれのあり方が変革し、

現在の基礎を作りました。

 

「金融資本主義社会の終焉」

 

今回の「カーディナル・クライマックス」も、過去の歴史同様、

とても大きな時代の変革期を迎えています。おそらく、それは、

「現代社会の土台である金融資本主義」が大きく変わることです。

 

身近なことで例えると、派遣切り、リストラ、給与の減少、

過労死、パワハラなどの労働環境の悪化、あるいはそれに伴った、

年金問題、税制の変化、少子化などなど。

 

資本主義経済が全盛期であった20世紀の中盤では、

「サザエさん」に代表されるように、お父さんが夕方帰宅するような

勤務条件であっても、一家を支える経済力を持っていました。

しかし、現代では夫婦共働きでも、家計の不安定さは拭えません。

 

消費に関しては、例えば、ユニクロやダイソーといった企業の登場や

コンビニでのコーヒー100円販売、ホテルや交通機関の低価格化など

多くの商品が値下がりしてきました。こうした現象は財布には優しいのですが、

経済のあり方としては正しくはありません。

 

それは、企業の価格競争力の激化は、そのまま労働環境の悪化に

直結するからです。給与や労働時間といった物理的な面はもちろん、

合理的に利益を上げることを条件づけられた企業は、

社風や風土といったメンタルな面でも余裕がなくなり、

常にストレスを持って働くことになります。

 

そうした現象は経済面や実質的な生活面の運営を難しくさせます。

同時に、こうしたムードが社会全体に広がることで

私たちの内面を大きく疲弊させています。

 

そのため、現政府への風当たりも当然強くなってきています。

昨日の都議会選では、保守本流は大きく議席を失い、

新しい社会のあり方に対する期待感が高まっています。

とはいえ、新しい方向に急速に転換するには多くに犠牲を払い過ぎる。

もちろん、旧来のやり方に固執しては上手くいかなかい。

現在の社会政策は相当難しいところにきているでしょう。

 

「冥王星が顕在し生命力をとり戻す」

 

このように、「カーディナル・クライマックス」は、

社会の構造を大きく変革させるような影響を持っていますが、

社会と個人の内面のあり方は相似形をなしているため、

個人の生き方も大きく影響を与えてきました。

 

その影響は例えば、個人的な問題が原因で、

「これまでの何十年間の価値観や生き方を大きくチェンジすることを余儀なくされた」

あるいは、「この10年で全く予想もしなかった方向に人生が動いてきた」

あるいは「大きな試行錯誤の最中にいる」「波乱や葛藤が続いている」

といったことがあげられます。

 

特に冥王星を天秤座に持つ世代である71年〜82年生まれは

この時期に、大きく変わることを宿命づけられた世代と言えるでしょう。

 

出生図の冥王星は「隠れた潜在的なパワー」を表します。

これは、普段は使う必要がない力です。

日常を平穏無事で暮らしていくためには冥王星の力は必要としません。

そのため、冥王星は一生、使わずに生きていく人もたくさんいます。

 

冥王星の力を必要とする時は有事です。

本当に追い込まれた時に、潜在的なパワーは発揮されます。

「自分にはこんな力があったんだ」

「自分にはこんな面があったんだ」

そんなことを感じるようなパワーです。

 

そして、それは人間が本来持っている「原始的なパワー」でもあります。

便利で合理的な生活の中で失っていった力です。

血肉が通い、環境と循環することで、エネルギーが活性化した

生命力に溢れたパワーです。

 

こうした原始的なパワーが、顕在化するきっかけとなるような出来事は

かなりの混乱や動揺、苦しさ、葛藤などが引き起こし、追いつめられていきます。

しかし、それは冥王星が顕在化してくる産みの苦しみのようなものです。

 

「カーディナル・クライマックス」は、生き方や価値観が変わる

と表現してきましたが、それは生命力をとり戻すことでもあります。

 

「蟹座の太陽がグランドクロスを形成する」

 

2017年は太陽が蟹座に入ることで、

牡羊座の天王星

天秤座の木星

山羊座の冥王星

とゆるやかなグランドクラスを形成します。

そのために、活動宮のTスクエアが活発になるのです。

 

外惑星のアスペクト(角度)に太陽が入ることで

その現象を身近なものにしてくれます。

 

正確な角度を作る日は以下の3日間となりますが、

この2週間前後はかなり熱い夏になりそうです。

 

7/6太陽と木星とスクエア

7/10太陽と冥王星とオポジション

7/21太陽と天王星のスクエア

 

この時期は、2008年頃から続いていた

断続的な揺さぶりを再体験する時期となると言えるでしょう。

この10年間で、人生の方向性が大きく変わってきた人は、

その道筋が確かなものであったことを確認することになるでしょう。

この10年間で、価値観が大きく更新された人は、

そのふり幅の大きさを再認識することでしょう。

また、古い壁を壊している途中にいる人は、決定的な一押しがあるかもしれません。

静かに潜伏するように暮らしていた人には、大きな衝撃があるかもしれません。

 

10月になると木星は蠍座に移動し、

来年になると天王星が牡牛座に移動し、

段階的に外惑星は活動宮から離れていき、

「カーディナル・クライマックス」も終わりを迎えていきます。

 

活動宮による波乱と破壊の時代の出口が小さな光のように見えてくるでしょう。

それは同時に、自分自身の潜在的な一面が見えてくることでもあります。

 

東海 豊

hosi-no-rasinban.net

 

 

 

 

 

★太陽が最も高い位置にくる夏至

 

12星座によって構成されている360度の輪には大きなポイントが4つあります。

それは、「春分―秋分」と「夏至―冬至」という二至二分です。

これらのポイントは古代から、季節の節目として、様々なお祭りや儀式が行われてきました。

 

夏至は太陽が双子座から蟹座に移動する日です。

今年は6/21(水)13時25分に太陽が蟹座に入り夏至を迎えます。

日の出の時刻は午前4時25分と最も早くなり、

太陽が南中する位置も最も高い場所になります。

 

東京(北緯35度)では、太陽の南中高度が78度にもなり

まるで真上から照りつけているように感じます。

そのため、深い井戸や湧水源にも太陽の光が差し込むようになります。

蟹座の季節が「光の季節」と言われる由縁はここにあります。

 

また、太陽の位置が高いため、満月の時の月は、一年で最も低い位置で形成されます。

夏至前後の満月がストロベリームーンと言わるのは、このためです。

太陽の光が月に届くまでの(地球の大気を通過するまでの)距離が長くなり、

波長の短い青い光が地球の大気により散乱され、散乱しにくい波長の長い赤い光が残るからです。

ちなみに、空が青いのもこの理由からで、青い光が散乱されて青く見えるのです。

 

★水の動力源を持つ蟹座

 

蟹座は、活動宮という分類に属します。

この活動宮というサインは、「始まり」「動く」「動かす」という性質を持ちます。

そのため、蟹座は基本的に、行動が早く、物事を活性化し、活力を与えられる資質を持ち合わせています。

同時に集団の気持ちを大事にし、「同じ気持ち」であることを大切にするため、

リーダーというタイプは少ないですが、本質的には自分が所属する場に活力を与えることができるのです。

 

活動宮は、蟹座意外に、牡羊座、天秤座、山羊座の4サインがありますが、

それぞれ、動く時の「動力源」が異なります。

牡羊座は「火」、天秤座は「風」、山羊座は「地」であるのに対し、蟹座の動力源は「水」です。

 

「水の動力源」は、内面の感情が、自分自身を動かしていく力となります。

それまでの、「牡羊座は勢い」、「牡牛座は五感」、「双子座は好奇心」が動力源でした。

ここまではまだ、内面、感情、気持ちといったものが芽生えていません。

蟹座の段階ではじめて、「感情の力」によって動きはじめるのです。

 

「感情の力で動く」というのは

身近な例では、「好きだから」「楽しいから」あるいは「嫌いだから」「はらがたったから」

といった気持の動きが、アクションの動機となることです。

もう少し大きなことでは、「溢れる思いを押さえられない」といった感じに

理性や知性を超えた動くことを感情は促してくれます。

情報分析や客観性といった「正しい判断力」で動く天秤座や

現実をみて、結果を優先し、「堅実に動く」山羊座と比べると

蟹座の動き方がいかにドラマチックなのかがわかります。

 

こうした蟹座の「水の動力源」である感情は、「共感共鳴」を引き起こします。

感情を動力源とすることは、多くの人に感動や感激といった共感共鳴を促し、

その結果、たくさんの人の感情を揺さぶるものが生まれます。

その揺さぶられた感情によって、個人間の相互理解や共同体の絆が生まるのです。

理論や理性によって結ばれた結束力よりはるかに強いものを作りあげます。

 

しかし、感情の動力は必ずしも、ポジティブなものばかりではありません。

他者を傷つけたり、自分自身の弱点をさらけ出したり、何を壊したりもします。

なので、誰もが感情を簡単に出さないようにするわけです。

 

このように蟹座の持つ「水の動力源」は、諸刃の剣でもあります。

しかし、ポジティブな面しかもたないものは、この世には存在しません。

しかもそれが力強いものであれば、なおのこと極性の振れ幅は強いといえます。

 

そのため、蟹座の時期といのは、「水の動力源」が活性化しやすく

基本的に大きな心のふり幅を持った季節となりやすいものがあります。

 

―2107年の蟹座の時期の主な星の動き―

 

惑星の移動

6/21(水)1324太陽が双子座から蟹座へ移動(夏至)

6/21(水)1854水星が双子座から蟹座へ移動

7/ 5(水)09:12金星が牡牛座から双子座へ移動

7/ 6(木)09:18水星が蟹座から獅子座へ移動

7/20(木)21:19火星が蟹座から獅子座に移動

 

惑星同志のアスペクト

6/24(土)11:31新月

7/ 2(日)火星(蟹座)と冥王星(山羊座)が180度(オポジション)

7/ 9(日)13:07満月

7/10(月)太陽(蟹座)と冥王星(山羊座)が180度(オポジション)

7/18(火)火星(蟹座)と天王星(牡羊座)が90度(スクエア)

7/21(金)太陽(蟹座)と天王星(牡羊座)が90度(スクエア)

 

★自然の流れに身をゆだねる・蟹座の新月

 

夏至から3日後の6/24に新月を迎えます。

この新月から蟹座の時期の本格的な始まりです。

今年の蟹座の新月は蟹座3度、サビアンシンボルは「毛深い鹿に先導される毛皮を着た男」です。

これは「自然の流れに内面を委ねることで、最善の方向に導きかれる」ことを示しています。

 

蟹座は個人より共同体を大切にするサインです。

そのため個人を共同体に従属させるのですが、その結果、

自分を見失うという現象が起こりやすくなります。

そうしたある種の孤立状態から、救い出してくれるのが「鹿」です。

鹿は「導き手としての存在」を表しています。

自分自身の内面が共感共鳴している存在に、

自分の全てを捧げることで、新しい方向性を見出していきます。

鹿と同じ毛皮を着ているのは、導き手に染まっている状態を表します。

自分自身をその色に染めてもいいと思える

所属場所、居場所、グループ、地域、こうした環境を見つけることが大切です。

 

★心のふり幅が大きい・蟹座と山羊座の満月

 

その約2週間後の7/9に満月になります。

今年の蟹座の満月は、太陽が蟹座18度、月が山羊座18度です。

18度という度数は「避けてきたもの、苦手なもの中から新しい視点を見つける」度数です。

蟹座は、あまり好きではない山羊座らしい社会性を知ることで、視野を広げます。

山羊座は、蟹座らしい感情の扱い方を再構築します。

お互いが苦手なものを刺激しあいながら一回り大きくなることを促されます。

 

新月で始まった導きは、扱いきれない内面の揺れを体験するかもしれません。

特に今年の蟹座の時期は、火星も蟹座に滞在するために、

相当振れ幅の大きな、感情の揺れがあるでしょう。

また、赤く染まったストロベリームーンは、その傾向を一層、強く感じさせるかもしれません。

 

しかし、それは結果的には内面のエクササイズとなり、

よりぶれの少ない感情状態を作り、内面の器を大きく広げてくれるはずです。

また、この満月で大きな水の動力源が動き出す人もいるでしょう。

 

★初めてのお使い・太陽と冥王星の180度(オポジション)

 

満月の翌日は、太陽が山羊座の冥王星と180度(オポジション)を形成します。

冥王星と太陽の組み合わせは、とてもマジカルな組み合せです。

それは、個や社会を遥かに超えた宿命的な力が動くからです。

個人の力では抗うことは出来ない、神様的な采配ともいえます。

 

同時に冥王星は、根底から全てをひっくり返す惑星です。

その冥王星が、蟹座同様に所属先や居場所といったことを表す山羊座に

2009年から滞在しているため、ここ数年は土台がはっきりしない状態が続いています。

また、山羊座のオポジションである蟹座に太陽が入ると

そうした「不安定な自分自身の人生の土台」を、強く自覚させられる現象が起きます。

 

もちろん、冥王星は対策が通用するような惑星ではありません。

冥王星の「破壊と創造の力」は、ある種の「自然浄化作用」のようなものでもあります。

そのため今は、自分自身が乗っている船に、自分の未来を委ねるのが最善でしょう。

もちろん、その船自体に内面の共感や思い入れを感じてることが前提となりますが。。。

 

また太陽と180度(オポジション)を形成する時の冥王星は山羊座19度です。

サビアンシンボルは「大きな買い物袋下げた5歳の子供」です。

これは「初めてのお使い」と考えてください。

今にも涙が零れ落ちそうなぐらい、不安や緊張で内面がいっぱいいっぱいの状態で

何かを成し遂げないとならないこともあるでしょう。

大人なので泣くわけにはいかないと考えている人います。

またそうした状態に、怒りや恨みのような感情状態になる人もいるでしょう。

 

しかし、その子を見守る母親や買い物先のお店の人、途中で出会う町の人たちなどは

その子が無事にミッションを完了することを見守りながらサポートしてくれています。

山羊座の冥王星が試練を与える神だとすると、

蟹座の太陽はそれを見守りサポートしてくれる存在だと考えてください。

 

「水の動力」によって動いたものは、自分自身が思っているより、

よりたくさんの存在によって、助けられることを強く実感するでしょう。

あるいは、今年は助ける側にキャスティングされるかもしれません。

それはそれで、「水の動力」の力をより強く感じることになるでしょう。

 

東海 豊

hosi-no-rasinban.net

 

 

牡羊座からはじまる12星座では、双子座は3番目のサインとなります。

この「3」という数字は、「1」と「2」の両面を使うという特徴があります。

「2」は「1」と対極をなす関係ですが、「3」はその対極にあるものの両面を活かすからです。

 

牡羊座の「魂」に対し、牡牛座は「肉体」を表しますが、

双子座では、その「魂」と「肉体」の両面を活かします。

つまり、牡牛座の「肉体」を使って、牡羊座の「魂」のように自由に動きまわって生きるのです。

その結果、牡羊座の自由性は、より現実的な世界において表現されていきます。

精神の中でしか飛べなかった牡羊座は、双子座の段階で「実際に飛べる」領域に入ります。

 

12星座には「3区分」という分類があり、

牡羊座が活動宮、牡牛座が不動宮、双子座が柔軟宮に分類されます。

柔軟宮は活動宮と不動宮の両面を活かし、調整をするといわれていますが、

それは3番目のサインであることに意味があると考えることができるでしょう。

 

また、牡羊座が「過去世からの道筋」であり、牡牛座が「血統の道筋」であるとすると、

その両面を統合するのが、双子座の段階です。

双子座は、言葉を使い、環境と関わり、移動することをテーマとしますが

このことは、「魂と肉体の統合」という点で、必須のプロセスだと考えられます。

 

それは、自分以外の存在と関わることで、自己認識がはじまるからです。

この世に自分の世界しかないとすると、それは何もないことに等しいことです。

自分以外の存在、外界が存在することで、自己の存在というものを認識します。

この自己の認識こそが、「魂と肉体の統合」を促すのでしょう。

 

―――

 

人間の誕生から死までのプロセスになぞって12星座をみてみると

牡羊座が誕生の瞬間を表します。それに対して、牡牛座が肉体はあるが、

まだ言葉がしゃべれず、歩くことのできない乳児の段階です。

「お腹が減った」「眠い」「楽しい」といったシンプルな欲求を

体全体を使って表現する姿は牡牛座の本質を表しています。

 

それに対して双子座は、言葉がしゃべれるようになり、

同時に他者の言葉を理解し、歩けるようになった幼児の段階を表します。

外界を認識できるようになった双子座は、好奇心いっぱいです。

目に入るもの、耳に聞こえるもの全てに興味を持ちます。

 

例えば、友達が持っているおもちゃを気に入って、

それを奪いにいったり、あれが欲しいと駄々をこねる姿は双子座らしい姿といえるでしょう。

また、いい子にしているとおやつがもらえるというのも双子座らしいあり方です。

そうした自分の興味に忠実に、動いたり、要求したり、喧嘩をしたり、知恵を使ったりすることは、

自分自身の可能性を発展させていくことに繋がります。

 

もちろん、この段階では「相手を思いやる」「一緒に楽しむ」「共感する」といった

他者との関係性を築くようなものは見られません。

一方的な興味であり、一方的な関わり方です。

もちろん、それで全く問題ありません。

なぜなら、牡羊座から双子座までは「自己の育成」という、

この世に誕生して初歩の段階のテーマを共通に持っているので。

牡牛座では自分の欲求を認識することが、健全な大人の条件であると書きましたが

双子座では、自分の要求を環境に打ち出すことが、コミュニケ―ションの第1歩になるといえます。

 

―――

 

さて、その双子座の時期ですが

今年の双子座では、土星がクローズアップされるでしょう。

 

土星は一つのサインに2年半滞在し29年で12サインを一周する周期を持ちます。

そのため、土星は2年半毎に、それぞれのサインのテーマを私たちに与え、

29年をかけて成熟した大人へと育てていく惑星です。

 

その土星が2014年12月24日から射手座に滞在しています。

そして隣の山羊座へ移動するのが今年の12月20日です。

土星は2014年から3年かけて、射手座的なテーマを私たちになげけてきています。

既に2年半が経過していますので、土星は射手座の終盤に差し掛かっています。

 

そのため今年は「射手座時代の総集編、火の時代の集大成」と言われます。

射手座は火のサインであるため、「精神性」といった形のないものを表します。

それは火のサインに共通の「魂」のサイクルといえます。

牡羊座が魂そのものだとすると

獅子座の段階で、この世という舞台の上で、魂は自己表現をします。

そして射手座の段階では、この世での多くの体験を経て、その魂のスピリットを進化させます。

                          

そのため、射手座に滞在する土星は、私たちに「価値観の拡大」や「人生観の再構築」を問いかけます。

つまり「どんな生き方をしたのか?」という問い対する答えを出すための3年です。

次の山羊座では地のサインのため、その「人生観を現実的に生きていくこと」が求められます。

火のサインの次は必ず地のサインです。そのため、魂を現実に降ろす作業は、12星座の中には3回あることがわかります。

 

―――

 

5月21日に双子座に入った太陽は、徐々に移動していき

6月15日になると、ちょうど射手座にいる土星と対極の位置をとります。

これは「オポジション」と呼ばれるアスペクト(角度)です。

このように、太陽が外惑星に対して特定のアスペクト(角度)を取る時には

その外惑星の影響が大きく拡大されます。

今年の双子座の時期は、土星が拡大されるのです。

 

土星が射手座に入った2014年12月から、

双子座の太陽とオポジションを形成することは、毎年必ず1回あることになります。

そのため、2015年、2016年、2017年と今年で3回目です。

こうした太陽との関係から、土星は三段階に分割して、射手座的な面を成熟させようとしていることが解ります。

 

6月15日、今年の太陽と土星のオポジション時のサビアンシンボルをみていきましょう。

双子座と射手座、それぞれ25度に位置しています。

この25度という度数は、そのサインの結晶度数です。

最も成熟した「そのサインらしさ」を持っている度数といえます。

 

射手座25度が「玩具の馬に乗っている小太りの少年」です。

これは「未来を見通すことのできる想像の力を磨きぬく」と解釈されます。

 

私たちの祖先であるホモサピエンスが最も長けていたのは、この「想像力」だと言われています。

「想像力」は経験だけに縛られず、より大きな可能性を持った未来を作るために必要な力です。

仮に、経験だけを頼りに未来のあり方を考えると、どうなるでしょう?

学生の時に海外旅行に行った時に食中毒になった。

だから「海外旅行は危険」となり、世界はどんどん狭いものになっていきます。

しかし、「薬を飲めば大丈夫かも」「屋台で食べなければ安全だろう」という、

未来をシュミレーションする力を私たちは持っています。これが「想像力」です。

射手座は単に楽観的なわけではなく、卓越した想像力を持っているのです。

そのため、冒険もチャレンジも可能なのです。

 

「小太りの少年」は、精神的な豊さを象徴します。

多くの知恵や教養を身に付けた少年は、想像力という玩具を通して未来を描くのです。

幼い頃に想像力があった子ほど、大人になった時に、自分の将来像を描くことが上手いと言われます。

「自分がドラえもんだったら、こんな風にのび太を助けるかな〜」というリアルな想像の中で、

未来のビジョンを明確にしていくのです。

 

これに対して、双子座25度のサビアンシンボルは「パームの枝を切る男」です。

これは「広がったたくさんの興味の方向性を剪定する」という意味です。

 

牡羊座で発芽した植物は、牡牛座で茎や葉を伸ばします。

双子座ではさらに、あっちやこっちへと枝や葉を展開していきます。

しかし、双子座の25度の段階では、不要な枝や葉を剪定する作業をします。

 

植物にとって葉を展開させる目的は光合成によって必要なエネルギーを作るためです。

そのため、光合成に不利な位置に伸びた葉は、植物にとって不要な葉です。

不要な葉は自らの意思によって落とします。

 

双子座は最初、好奇心のままにあらゆる情報を取りにいき

様々な人や場所にその情報を伝えようとします。

そして段々とその領域が拡大していき、しまいには自分がどこを目指しているのかが

わからなくなる段階があります。しかし最終的には、その中から本当に必要な情報や分野を剪定するのです。

 

―――

 

2014年12月から、土星によって「人生観の再構築」を問われてきましが

射手座も終盤に差し掛かかり、そろそろその宿題を形にする時期にきました。

その際、「目の前に見える現実」と「過去の体験」だけを材料にするのではなく

「未来を想像すること」によって、今後のあり方の可能性を広げることが大事であると

射手座25度が示しています。

 

子供の頃に、自分自身がお菓子屋さんになったら

こんなお菓子屋さんで、あんなケーキを作って、お客さんと楽しく話をして…

と想像していたようなことを思い出していくことが大切でしょう。

 

また同時に、双子座の太陽も影響を与えていきます。

それは、その人生観や価値観をより現実に引き降ろすために

方向性を剪定することを促しています。

 

この方向性の剪定は、実験的に取り組んでみて、修正していくと良いでしょう。

双子座はとても実験性に溢れているサインでもあるので、何度もやり直しがききます。

そのため、まずは試しに、感じているビジョンを「生きてみる」のがいいでしょう。

例え、そのビジョンが薄っすらとしたものであっても、今まで感じたことがなかった

可能性に気づくことでしょう。

 

東海 豊

 

牡羊座でこの世に誕生した魂は、牡牛座の段階で地上に降りてきます。

地上に降りる時に、肉体という三次元的な物質を身にまとうことで、

この世で生命を持つことが許されるのです。そのため牡牛座は、

その生命を生きることがテーマとなります。

 

生命を生きるために、まず大事なことはエゴを育てることです。

「何が欲しいのか」

「何を必要としているのか」

「どうしたいのか」

こうした欲求を感じることは、自分自身のニーズを認識していくことに繋がっていきます。

この段階で、自分自身の要求を明確にしていくことは、いずれに大人になった時に

「私は何がしたいのだろう?」という迷子になることを防いでくれるのです。

牡牛座の段階で、喜びの感じ方を身に付けることは、健全な大人になるための条件といえるでしょう。

 

このことを植物に例えてみます。

牡羊座は、植物に例えると、「発芽」という段階です。

種子から芽を出す瞬間を「誕生」と考えることができるからです。

実際に牡羊座の時期は、多くの植物が芽を出す時期です。

 

それに対して、牡牛座の時期は、茎や葉を展開させていきます。

5月の森は新緑の淡い緑の葉が茂り、そこに太陽の光が反射することで

キラキラとした輝きに満ちています。その姿は、見るもの全てに

新鮮な空気を運んでくるようなムードがあります。

 

そのキラキラという現象の正体は光合成です。

この光合成という工程は、植物の成長に必要な炭水化物を作り出し、

その炭水化物で、植物はボディを作っていきます。

 

光合成の時期は、植物にとって最も他の植物と競争をしないといけない時期です。

なぜなら光合成に必要な太陽の光を確保しないといけないからです。

植物は他の植物と競争したり、あるいは戦略的な作戦をたてたりしながら

光合成に必要な太陽の光を取りにいくのです。

 

人間から見ると、美しい自然の営みであり、調和した姿に見えますが

それは生命を育てるために、我れ先きにと太陽の光を取ることを争っているのが植物の実情です。

牡牛座の命を育てるという行為は、こうした植物の行為ととても似ているといえるでしょう。

 

―――

 

牡羊座の「魂」に対して、牡牛座はその魂を入れる器の「肉体」と言われていますが、

この「魂」と「肉体」には、それぞれ別々の次元の異なるルーツがあります。

 

魂のルーツは、転生によって何度も生まれ変わりをしている過去世からの道筋です。

その魂がこの世に降りてきた瞬間を牡羊座は表すわけです。

火のエレメントが表す「精神性・スピリット」という言葉は、転生を繰り返す

魂の領域から生まれたものと考えることができます。

そのため、火のサインは、何かに属するというより「個」というテーマが強いといえます。

 

それに対して、肉体のルーツは、遺伝的な道筋であると考えられます。

先祖代々から引き継いできた系譜の結晶が牡牛座にあります。

生物の遺伝子が次世代に更新される時に最も重要なことは、環境に対応した

強い遺伝子を残すことです。そのため、先祖や両親と比べると、ある側面においては

必ずこの世を生きるために有利な遺伝子を持って生まれてきたと考えられます。

一族の繁栄が遺伝子のミッションなのですから。

 

牡牛座のテーマとして「資質」というものがありますが、それはまさにこのことを言っています。

「五感」も同様に肉体を構成する細胞によって作られており、それは先祖代々の

遺伝子をルーツにしています。また「お金」も同様のことがいえるでしょう。

 

そのため、牡牛座が五感を通して、自分自身の欲求を感じ、要求する姿勢は、

決して個人的な我儘という領域ではなく、血統を通して「遺伝子によって現在の肉体に送り込まれた、

この世を生きるための重要な要求」であるといえるでしょう。

 

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さて、今年の牡牛座ですが、まず4月26日に牡牛座7度で新月を迎えます。

そして、5月11日に蠍座21度に月が移動し、そこで満月を迎えます。

牡牛座の時期の新月と満月は毎年あるわけですが

今年は7度と21度という7の倍数がテーマになっているのが解ります。

 

「牡牛座の新月ではじまり、蠍座の満月で満ちる」という太陽と月との関係は、

牡牛座的なことが新月で始まり、蠍座的なことが加味されることで、それが満ちると解釈していきます。

 

例えば、「欲しい物を手に入るように願う」という、まさに牡牛座的な願いを新月ですると

満月では「欲しければ、まずは分け与えろ」といった蠍座的な機会や気づきが加味されることで

最終的な落としどころが見えてきます。

 

今年の新月は牡牛座7度。

サビアンシンボルは「サマリアの女」です。

これは「辺境にこそ天啓がおりる」といわれている度数です。

 

牡牛座は一つ前の6度で、新しい領域に橋をかけました。

そして、その新しい領域は、牡牛座にとっての辺境の地であった、というのが7度です。

つまり、心理的に迫害されるような場に入っていったことになります。

あくまでも牡牛座ですから、それは例えば、自分とは全くことなった容姿や経済力、

あるいは人望や集団と出会い、その違いに打ちのめされるようなことであるいえます。

 

「サマリアの女」は新約聖書のヨハネによる福音書4章に出てきます。

サマリア人は大罪を犯したことでユダヤ人から迫害を受けていました。そのため、サマリア人は

辺境の地にひっそりと生きていました。その中に既に5人の男性と離婚を繰り返していた女性がいます。

その女性がヤコブの井戸で水を汲んでいると、キリストから「わたしに水を飲ませてください」と声をかえられます。

ユダヤ人の男性がサマリア人の女性に公の場で声をかけるというのは、

当時の社会的環境ではありえないことでした。しかも「水をください」と言わることはありえないことでしょう。

 

キリストから声をかけられた女性はこう言います。

「あなたはユダヤ人なのに。どうしてサマリアの女の私に、飲み水をお求めになるのですか」

それに対してキリストはこう答えます。

「もしあなたが神の賜物を知り、また、あなたに水を飲ませてくれと言う者がだれであるかを

知っていたなら、あなたのほうでその人に求めたことでしょう。そしてその人はあなたに生ける水を与えたことでしょう」

この生ける水は英語では「living water」と訳されています。

この後、サマリアの女はキリストといくつかのやり取りをしながら

「生ける水」得るためのきっかけを見つけていきます。

 

つまり牡牛座7度は、自己憐憫や被害者的意識を持ちやすい状況を体験することで

はじめて「生ける水」を得ることができると解釈できます。

 

満月の牡牛座21度のサビアンシンボルは「開いた本を指す指」です。

そして、オポジションの月の蠍座21度のサビアンシンボルは「職務放棄兵士」です。

21度という度数は、どのサインであっても自分の資質や個性を最大限に発揮し欲しいものを取りに行く度数です。

 

牡牛座は、自分自身の感覚が間違っていないという確信を持つことで、

あらゆることを決断する力を持ちます。「牡牛座の感覚」とは「内側から溢れてくるような駆動力」です。

「そこに行きたいー」でも「そこに行ったら欲しいものがあるかも…」でもなく

「そこに行けば必ず欲しいものがある!」といった確信めいた感覚です。

 

何かが欲しくて行った場所で迫害を受け苦しみますが、結果的にそこで手に入れた

「living water」はこの21度で、枯れることのない内面の泉に変容していきます。

 

その時、オポジションの月である蠍座の21度は、

職務を放棄する兵士のような「信念」や「意思に固さ」を表します。

絶対に諦めないハートの強さと自分を信じ続けることのできる信頼に対する自信を

持っているのが蠍座21度です。願望達成には最強の組み合せといえるでしょう。

 

牡牛座は、時として自分にないものに目がいきがちです。

そして、そのことを憂いたり、あるいは他者に要求したりします。

しかし、蠍座の影響を受けることで、「欲しければ与えることだ」という考え方や、

「他者のものも自分のものも同じである」と考えることができるようになります。

また、先祖が残してくれた遺伝子が、自分で思っている以上に大きな宝物であることに気が付くかもしれません。

 

太陽と月の関係は29日周期の関係ですから、それほど大きなことではないかもしれません。

ただ、この時期にこうしたテーマがあったと思える人は、しっかりと振り返ってみるといいでしょう。

「落胆」と「確信」のふり幅が大きければ大きいほど、今年の新月満月の反映といえます。

どこかに大切な天啓が隠れているかもしれません。

 

東海 豊

 

37.8度。

この数字は朝鮮半島の軍事境界線でもあり、山形県米沢市の北緯でもありますが、

ここでは緯度線ではなく、羊水の平均温度のことです。

 

魚座は生まれる前の母体の中にいる状態を表します。

そして、水のサインである魚座は、象徴的に海を表すと言われますが、

母体の中だとすると、この海は羊水と考えることができます。

37.8度という温度の羊水の海の中でこの世に生まれる準備をしているのが魚座です。                                                                       

 

その魚座には、1度から30度まで、受胎から誕生までの物語がありますが、

その中でも、特に終盤の魚座(26度以降)のサビアンシンボルは、

月がシンボルになるものが多いという特徴があります。

 

26度 影響を分割する新月

27度 収穫の月

28度 満月の下の肥沃な庭

 

占星術における月は、その人の「魂そのもの」を表し、

月のサインは「魂のパターン」を表わしています。

魚座の終盤では、その月が自我や執着から離れていき、

大いなる環境に投げ出すような意味が多くみられます。

同時に、既存の共同体から離れ、本来の約束の地に向け

歩みはじめるようなニュアンスもあります。

 

このことを別の角度から見ると、

あらゆる柵(しがらみ)から解放され、魂を純化する工程といえるでしょう。

魂の純化は同時にこの世的には孤独を伴うものです。

多くの人が、「自己表現と環境への適合との狭間」で葛藤を持っていますが

魚座の終盤は、環境への適合を手放し、自己の純化を求めます。

 

環境に対する柵が強いほど、自分自身の本来の道を歩むことは難しいものです。

環境に対する柵とは、経済、対人関係、あるいは子供の時に矯正された固定観念がその代表でしょう。

そうした制限が、本来の生きる目的に向かうことを制限しています。

魚座の終盤は、社会的な柵を解放し本来の自分をとり戻す姿が発現してきます。

 

「体内記憶」の研究家である池川明氏によると

ほとんどの子供が目的を持ってこの世に生まれてきます。

その目的の大半が、今までは「お母さんのために」だそうですが

最近では「世の中をよくするために」にという子が増えているそうです。

母と子という子孫繁栄的なミッションから人類全体を願うように変わってきているのは、

とても興味深いことです。

 

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さて、魚座の終盤について触れたのは、

もちろん、牡羊座という状態を理解するためです。

 

なぜなら、魚座の終盤の工程は、牡羊座として誕生するための準備だからです。

この世に生まれる時期が近づくと、「柵からの解放」と「自己の純化」という準備を行います。

このことは、「媚びない」「自分を通す」「ありのまま」といった牡羊座の個性を、そのまま反映しています。

また、「孤独」という状態がデフォルトでもあるため、牡羊座は

本質的には、孤独感をネガティブに捉えることはありません。

 

人間はなかなか難しい感情を持っているため「一人になりたい」と「寂しい」という一見、

二律背反的な感情を持ちやすいものですが、牡羊座にはこうした複雑な感情模様は見られません。

どんなに孤独感を感じたとしても、人は大きな生命の潮流の中で活かされていることを

微かな記憶として、どこかで知っているからです。

 

また、この牡羊座の個性は、魚座の終盤で準備した「約束の地」に、

最短で向かうためには、とても有利は個性となります。

 

「誰かのために」「何かのために」という自分以外の存在が大きな原動力となる人もいますが、

これは、「水」や「地」のタイプの人の考え方でしょう。

やはり、本質的にもっとも大きく強い動力は、牡羊座のように、

生まれた時から目指す場所がわかっていて、

条件付けも少なく、そこだけを見て生きていける動力です。

 

そのため、太陽の牡羊座イングレスは、春分点として一年に一度必ずあるわけですが

この春分点は、再び約束の地に向けて、柵から解放してあげ

孤独を恐れず、自己を純化ししていくような時であるいえます。

現代では春は鬱っぽくなる人が多いと言われますが

この春分点のあり方と多いに関係があるように思われます。

 

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また魚座から牡羊座への転換点である

「誕生」というタイミングも、牡羊座を表しています。

 

誕生のタイミングは、占星術そのものを表すほど重要な要素です。

胎児から成長して臨月を迎え、全ての準備が整い

最終的に生まれてくる絶妙な時が、ネイタルチャートに表現されているのです。

 

子宮という宇宙から、社会という三次元世界へと降り立つ瞬間の時空環境を想像してみてください。

 

魚座の終盤で、本来の自分自身を取戻し、同時に自分自身の道に出会い

その道筋をこの世の世界の中に見出し、そのための環境が整う時を待つ。

そして、その時が来ると同時に、それまでの記憶を全て手放し、

初めて出会う酸素(地球環境の象徴)を思い切り呼吸する。

また、へその緒を切ることで、ワンネスの世界から切り離され、同時に、この世が始まる。

 

そう考えると、ネイタルチャートは、

全ての記憶を宇宙のかなたに葬った瞬間ともいえるし、はじめて酸素を吸った瞬間ともいます。

あるいは、ワンネスの世界から切り離された瞬間ともいえます。

 

つまり「誕生」は、景色も、生命構造も、原理原則も

全てが変わるタイミングであると考えた方がしっくりきます。

牡羊座は「始まり」や「スタート」を表すと言われていますが、

その言葉のニュアンスではやや弱く、もっとダイナミックな展開がそこにはあると

考えた方がいいでしょう。

 

その牡羊座に、2011年から天王星が滞在しています。

今年は天王星と太陽が牡羊座で会合するのが7回目ということになります。

 

天王星は科学や民主化という側面から、時代を劇的に進化させる知の結集のような惑星です。

人間には生物としての原初的な生命力ももちろんありますが、あらゆる環境や

人間の本能などをコントロールするための、知性を持ち合わせています。

 

1750年に天王星が発見されて以来、

人の知性は劇的に結晶化し、この世での暮らしのあり方を大きく変えてきました。

 

その天王星が、牡羊座にイングレスするのは84年に1回あり、

現在は84年に一度「時代がチェンジするタイミング」だと言われていますが、

その変わり方は、子宮からこの世に降りたつような、ダイナミックな変化であることがわかります。

 

現実的に表現すると、

へその緒を切る行為」は「人間関係のリンクが変わること」

「はじめて出会う酸素」は、「新しいステージに立つこと」

「過去の記憶を手放すこと」は、「古い柵を手放すこと」と考えられでしょう。

 

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時々、「こういう大変な時代は、どういう意識を持って過ごしたらいいのですか?」

という質問を受けることがあります。

 

天王星という惑星は「集合的な意識」に働きかける力があります。

この集合的な意識というのは、時代や世代固有の価値観として現れます。

 

どの時代でも「個人によって異なる価値観」というものもありますが

「時代によって異なる価値観」は、逆に個人差があまりなく

時代を共有する人たちのあいだでは、共通の意識となりやすいのです。

そのため、天王星意識は、意識的に自分のものにするは難しく、時代の流れや社会の潮流の中で、

自然と影響され、結果的に身に着くものだと考えた方がいいでしょう。

 

大事なことは、そうした天王星が牡羊座に滞在するということは

人類が目指す新しい場所へ向かうために、過去の記憶を葬り去り、

新しい酸素の地へと降り立ったばかりであるということです。

 

現在の不安定な時代環境とその相似形である不安定な内面は、

生まれたての赤ちゃんが、無垢で純粋で何もない状態であるように

価値観も生きる指針もなければ、自立して生活していく力もまだない状態だと

捉えると良いでしょう。

 

もちろん、この「不安定」という表現は、「三次元社会を生きるものとして」

という視点に基づいています。そうではなく、「人間の原始的な生命力」という視点では、

とても強いパワーに溢れたものがあるはずです。それは、生まれたての牡羊座のように、

自分のことだけにコミットすることで、初めて実感するでしょう。

 

東海 豊