「カーディナル・クライマックス」

 

2008年頃から占星術世界では

「カーディナル・クライマックス」という言葉がよく使われてきました。

「カーディナル」とは活動宮のことです。

牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座が該当します。

この活動宮に外惑星が集まり、ハードアスペクトを作る現象を

「カーディナル・クライマックス」と呼びます。

 

2008年に山羊座に入った冥王星

2011年に牡羊座に入った天王星

この2つのトランスサタニアン(土星より遠い惑星)が

スクエア(90度)という角度を作りました。

(現在も進行中です)

 

トランスサタニアンは、「目に見えない時代の遷移」を作ります。

その時の実感は難しいのですが、歴史的に振り返ると

時代が変わっていることが解る。そんな惑星です。

 

このスクエアをベースに、土星と木星が活動宮に入ることで、

Tスクエアというよりハードな角度を作ってきました。

土星と木星は、もう少し公転周期の早い外惑星で、

「具体的に目に見える社会の制度やあり方」を表します。

 

土星

2010年〜2012年に天秤座

 

木星

2008年山羊座

2011年牡羊座

2013年〜14年蟹座

2016年〜17年に天秤座

 

このような2008年より断続的に続く、外惑星による

活動宮のTスクエアを「カーディナル・クライマックス」と呼びます。

 

活動宮は「物事のスタートを促すサイン」です。

外惑星は「私たちが抗うことのできない時代の流れを示す惑星」です。

特に天王星と冥王星が活動宮に入る時は「破壊と創造」がテーマとなります。

古いものが壊れ、新しいものを生むのです。

 

天王星が牡羊座に入ったのは84年振りです。

前回の1930年前後は、世界恐慌が起こり、その後の経済政策に

大きく影響し、それが現在の経済政策の基礎となっています。

 

冥王星が山羊座に入ったのは240年振りです。

前回は18世紀の中頃でした。イギリス産業革命、フランス革命、

アメリカ独立戦争など、歴史が大きく変わる転換期でした。

産業革命は科学、フランス革命は政治、それぞれのあり方が変革し、

現在の基礎を作りました。

 

「金融資本主義社会の終焉」

 

今回の「カーディナル・クライマックス」も、過去の歴史同様、

とても大きな時代の変革期を迎えています。おそらく、それは、

「現代社会の土台である金融資本主義」が大きく変わることです。

 

身近なことで例えると、派遣切り、リストラ、給与の減少、

過労死、パワハラなどの労働環境の悪化、あるいはそれに伴った、

年金問題、税制の変化、少子化などなど。

 

資本主義経済が全盛期であった20世紀の中盤では、

「サザエさん」に代表されるように、お父さんが夕方帰宅するような

勤務条件であっても、一家を支える経済力を持っていました。

しかし、現代では夫婦共働きでも、家計の不安定さは拭えません。

 

消費に関しては、例えば、ユニクロやダイソーといった企業の登場や

コンビニでのコーヒー100円販売、ホテルや交通機関の低価格化など

多くの商品が値下がりしてきました。こうした現象は財布には優しいのですが、

経済のあり方としては正しくはありません。

 

それは、企業の価格競争力の激化は、そのまま労働環境の悪化に

直結するからです。給与や労働時間といった物理的な面はもちろん、

合理的に利益を上げることを条件づけられた企業は、

社風や風土といったメンタルな面でも余裕がなくなり、

常にストレスを持って働くことになります。

 

そうした現象は経済面や実質的な生活面の運営を難しくさせます。

同時に、こうしたムードが社会全体に広がることで

私たちの内面を大きく疲弊させています。

 

そのため、現政府への風当たりも当然強くなってきています。

昨日の都議会選では、保守本流は大きく議席を失い、

新しい社会のあり方に対する期待感が高まっています。

とはいえ、新しい方向に急速に転換するには多くに犠牲を払い過ぎる。

もちろん、旧来のやり方に固執しては上手くいかなかい。

現在の社会政策は相当難しいところにきているでしょう。

 

「冥王星が顕在し生命力をとり戻す」

 

このように、「カーディナル・クライマックス」は、

社会の構造を大きく変革させるような影響を持っていますが、

社会と個人の内面のあり方は相似形をなしているため、

個人の生き方も大きく影響を与えてきました。

 

その影響は例えば、個人的な問題が原因で、

「これまでの何十年間の価値観や生き方を大きくチェンジすることを余儀なくされた」

あるいは、「この10年で全く予想もしなかった方向に人生が動いてきた」

あるいは「大きな試行錯誤の最中にいる」「波乱や葛藤が続いている」

といったことがあげられます。

 

特に冥王星を天秤座に持つ世代である71年〜82年生まれは

この時期に、大きく変わることを宿命づけられた世代と言えるでしょう。

 

出生図の冥王星は「隠れた潜在的なパワー」を表します。

これは、普段は使う必要がない力です。

日常を平穏無事で暮らしていくためには冥王星の力は必要としません。

そのため、冥王星は一生、使わずに生きていく人もたくさんいます。

 

冥王星の力を必要とする時は有事です。

本当に追い込まれた時に、潜在的なパワーは発揮されます。

「自分にはこんな力があったんだ」

「自分にはこんな面があったんだ」

そんなことを感じるようなパワーです。

 

そして、それは人間が本来持っている「原始的なパワー」でもあります。

便利で合理的な生活の中で失っていった力です。

血肉が通い、環境と循環することで、エネルギーが活性化した

生命力に溢れたパワーです。

 

こうした原始的なパワーが、顕在化するきっかけとなるような出来事は

かなりの混乱や動揺、苦しさ、葛藤などが引き起こし、追いつめられていきます。

しかし、それは冥王星が顕在化してくる産みの苦しみのようなものです。

 

「カーディナル・クライマックス」は、生き方や価値観が変わる

と表現してきましたが、それは生命力をとり戻すことでもあります。

 

「蟹座の太陽がグランドクロスを形成する」

 

2017年は太陽が蟹座に入ることで、

牡羊座の天王星

天秤座の木星

山羊座の冥王星

とゆるやかなグランドクラスを形成します。

そのために、活動宮のTスクエアが活発になるのです。

 

外惑星のアスペクト(角度)に太陽が入ることで

その現象を身近なものにしてくれます。

 

正確な角度を作る日は以下の3日間となりますが、

この2週間前後はかなり熱い夏になりそうです。

 

7/6太陽と木星とスクエア

7/10太陽と冥王星とオポジション

7/21太陽と天王星のスクエア

 

この時期は、2008年頃から続いていた

断続的な揺さぶりを再体験する時期となると言えるでしょう。

この10年間で、人生の方向性が大きく変わってきた人は、

その道筋が確かなものであったことを確認することになるでしょう。

この10年間で、価値観が大きく更新された人は、

そのふり幅の大きさを再認識することでしょう。

また、古い壁を壊している途中にいる人は、決定的な一押しがあるかもしれません。

静かに潜伏するように暮らしていた人には、大きな衝撃があるかもしれません。

 

10月になると木星は蠍座に移動し、

来年になると天王星が牡牛座に移動し、

段階的に外惑星は活動宮から離れていき、

「カーディナル・クライマックス」も終わりを迎えていきます。

 

活動宮による波乱と破壊の時代の出口が小さな光のように見えてくるでしょう。

それは同時に、自分自身の潜在的な一面が見えてくることでもあります。

 

東海 豊

hosi-no-rasinban.net

 

 

 

 

 

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